GLENN GOULD
GATHERING
Curated by
RYUICHI SAKAMOTO
Artist at Sogetsu hall
Alva Noto
アルヴァ・ノト
カールステン・ニコライのサウンド・アーティスト名義。還元主義への強い執着を秘め、実験音楽を電子音楽の分野に発展させ、彼自身の象徴、音楽、そしてビジュアル的なシンボルを作りあげている。ビジュアルアーティストでもある彼の作品では、目と耳両方で知覚できる可聴周波数と光周波数のような科学現象を創り出し、人の知覚的な感覚の分断を克服しようとしている。また、「レヴェナント・蘇えりし者」の映画音楽を共作し、ゴールデングローブ賞、BAFTA、グラミー賞や放送映画評論家協会賞にノミネートされた。
Christian Fennesz
クリスチャン・フェネス
オーストリア生まれのギタリスト。自身の独特な世界感とギターの見事なまでに完璧な楽曲作りで知られている。ミュージック・コンクリート、クラシック、そしてアンビエンス・サウンドが混ざり合った彼の楽曲は、音楽の力と影響を拡大解釈し、概念的な音楽の探求と複雑なデジタル・ストラクチャによりクラシックとオーケストラのコンセプトを融合させたメロディーや空間性を生み出している。坂本龍一とのレコーディングや共演、また、キース・ロウ、スパークルホース、マイク・パットン等ともライブパフォーマンスを行っている。
Francesco Tristano
フランチェスコ・トリスターノ
ルクセンブルク生まれ。ピアニストでありコンポーザー、またテクノやジャズのミュージシャンでもある。今やニュームーブメントのアイコンとなっている彼の音楽は、クラシックと電子音楽をクリエイティブに融合させ、異なる世界中の観衆を彼自身の宇宙で一体化し自然な方法で同質化する。デリック・メイ、カール・クレイグ、ミシェル・ポルタル等の様々なジャンルの著名人ともコラボをしており、2017年9月発売のソニー・クラシカル移籍第一弾となる「ピアノ・サークル・ソングス」(Piano Circle Songs featuring Chilly Gonzales)をリリース。

Artist at Sogetsu plaza
Loscil
ロスシル
コンポーザー兼マルチメディア・アーティストであるスコット・モーガンの音楽プロジェクト。カナダ・バンクーバー在住。サイモンフレーザー大学で作曲を学ぶ。エレクトロニックとアコースティック楽器を融合させ、「刺激的で世俗的だが抽象的な何か、そして、単なる”アンビエント”以上の荒涼としたランドスケープ」(イギリスThe Quietus誌より)の創造に挑んでいる。モーガンは2001年以降、 “Monument Builders”を含む数々のアルバムをLoscilとしてリリース。2017年初頭にアルバムCinderlandを発表。

Talk guest
Akira Asada
浅田彰
京都造形芸術大学大学院芸術研究科教授、同大学院学術研究センター所長。1957年兵庫生まれ。83年に『構造と力 記号論を超えて』を発表以降、経済学、哲学・思想史、美術、音楽、映画、文学など、様々な方面での執筆・批評活動を行う。その他の著書に、『逃走論 スキゾ・キッズの冒険』『ヘルメスの音楽』『映画の世紀末』、対談集に『天使が通る』『「歴史の終わり」を超えて』『20世紀文化の臨界』、編集誌に
『InterCommunication』『批評空間』など。
Susumu Kunisaki
國崎晋
1963年生まれ。サウンド・クリエイターのための専門誌『サウンド&レコーディング・マガジン』編集長を20年間務め、現在は同誌編集人。ミュージシャンやエンジニアへの取材を通じての制作現場レポートや、機材使いこなしのノウハウなど多数の記事を手掛ける。2010年からはPremium Studio Liveと題したライブ・レコーディング・イベントを開始。収録した音源をハイレゾ・フォーマットで配信するレーベル活動も展開している。

Talk guest
Junichi Miyazawa
宮澤淳一
文芸・音楽評論家、青山学院大学総合文化政策学部教授。博士(学術、東京大学)。グレン・グールド研究の第一人者として知られ、『グレン・グールド論』(春秋社、2004年)で吉田秀和賞。グールドの録音・映像の日本リリースにあたって多くの解説を執筆し、また企画にも関わる(解説を寄せた2つのコンピレーション・アルバム『グレン・グールド~坂本龍一セレクション~』には、坂本龍一との対談も収録される)。他の著書に『マクルーハンの光景』(みすず書房、2007年)など。グールドの著作集、書簡集など訳書多数。
Ichiro Yamaguchi (sakanaction)
山口一郎(サカナクション)
1980年生まれ。北海道小樽市出身。5人組ロックバンド「サカナクション」として、2005年に活動を開始し、2007年にメジャーデビュー。楽曲のほとんどの作詞・作曲を手掛ける。サカナクションとして第64回NHK紅白歌合戦に出場、第39回日本アカデミー賞にて最優秀音楽賞をロックバンド初受賞。現在では月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に日本から唯一参戦しているチームでもある「HAKUTO」ならびにそのプロジェクトを音楽でサポートするなど多様な活動を高い表現で実現し、評価されている。また「ミュージシャンの在り方」そのものを先進的にとらえるその姿勢は常に注目を集め、近年では各界のクリエイターとコラボレーションを行いながら音楽と様々なカルチャーが混ざり合うイベント“NF”を2015年スタートさせている。

Curator
Ryuichi Sakamoto
坂本龍一
1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年『YMO』を結成。散開後も多方面で活躍。『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞を、『ラストエンペラー』の音楽ではアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞他を受賞。常に革新的なサウンドを追求する姿勢は世界的評価を得ている。環境や平和問題への言及も多く、森林保全団体「more trees」の創設、「stop rokkasho」、「NO NUKES」などの活動で脱原発を表明、音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動も行っている。2017年春には8年ぶりとなるアルバム「async」を発表。