GLENN GOULD
GATHERING
Curated by
RYUICHI SAKAMOTO
関連作品上映
『いかにしてモーツァルトはダメな作曲家になったか』
(1968年・米国)
13日(水)13:30–14:10
カナダ大使館 オスカー・ピーターソンシアター

カーク・ブラウニング監督/原題「鬼才の再来」/テレビ番組『PBL(公共放送研究所)』所収、NET(ナショナル教育テレヴィジョン)、米国にて1968年4月28日放映/37分/字幕:宮澤淳一

35歳で没した天才モーツァルトについて、生前のグールドは「死ぬのが早すぎたのではなく、死ぬのが遅すぎた」作曲家だと主張し、物議をかもした。米国で作られ、久しく忘れられていたこの映像番組は、その持論を縦横に展開している。グールドは、まずピアノ協奏曲第24番ハ短調K491を取り上げ、ピアノを弾きながらモーツァルトの創作態度を説明し、彼が紋切り型に陥ったと批判する。だが、番組の後半では、高く評価できる(ダメになる前の)モーツァルトの作品として、ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調K.333の全曲演奏を披露する。
『グレン・グールドのトロント』
(1979年・カナダ)
13日(水)16:15–17:00
カナダ大使館 オスカー・ピーターソンシアター

ジョン・マグリーヴィ監督/『都市探訪』シリーズより/ジョン・マグリーヴィ・プロダクションズ&ニールセン・ファーンズ/2007年編集版/42分/字幕:青山学院大学総合文化政策学部映像翻訳ラボ/字幕監修監修:宮澤淳一

カナダのジョン・マグリーヴィ監督は、世界各国の「都市」を地元の有名人に紹介させるシリーズ番組を作り、トロントにはグールドを抜擢した。CNタワー、ベイ・ストリート、ヨーク城塞、ハーバーフロント、博覧会場、市庁舎、中華街、ヨークヴィル、ヤング・ストリート、イートン・センター,トロント動物園などをグールドが探訪し、ユーモラスな語り口でコメントする。都市論の形を借りたグールドの人生論でもある。
『砂の女』
(1964年・日本)
14日(木)14:30–17:00
カナダ大使館 オスカー・ピーターソンシアター

17日(日)9:00–11:30
草月ホール

勅使河原宏監督/147分

物語はある夏の一日、教師(岡田英次)がふとしたことから砂丘の村を訪れ、一見親切そうに見える村人たちに誘われて、謎めいた女(岸田今日子)がひとり住んでいる奇妙な家屋に宿泊するところから語り起こされている。そこは、昼夜をわかたず浸入してくる砂から身を守るために、身を粉にして掻き出し作業を続けなければならない。村人たちに計られたと知った男はなんとかして脱出を試みるが、いかなる試みもうまくいかない。人間における監禁状態と自由のアイロニーを描いたこの映画は、同時に砂の持つ多彩な表情を実にみごとに観察し、そこにある種の生物学的論理を適用している。 『砂の女』はカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞したことで、勅使河原宏の名前は、一躍国際的に有名になった。砂漠という一見抽象的な風景を背景に、共同体の法と禁忌、個人の匿名性と固有性、絶望と希望といった主題を扱いながら、みごとな完成度に到達した作品であるといえる。 グールドは、原作小説とともに映画版も愛し、100回以上も観賞したと伝えられている。
『グレン・グールドについて­­』[2017年11月トロントにて]
(2017年11月・カナダ)
15日(金)13:00–14:00
カナダ大使館 オスカー・ピーターソンシアター

撮影・編集・監督:Zakkubalan/字幕:日本映像翻訳アカデミー(JVTA) 溝江壽之、野村佳子 、市原水緒/字幕監修:宮澤淳一

BC(カナダ放送協会)の録音エンジニアで、グールドの仕事も多数手がけ、友人でもあったLorne Tulk(ローン・トーク)とトロント・オーディトリアムでの録音セッションでトークとともに仕事を担当した調律師のVerne Edquist(ヴァーン・エドクィスト)。グールドの活動を影で支えたこの2名の最新のインタビュー。

「Verne Edquist: Gould’s Piano Technician & Tuner」(26分)
「Lorne Tulk: Gould’s Audio Technician」 (24分)
『グレン・グールドの肖像』
(1985年・カナダ)
15日(金)15:00–16:50
カナダ大使館 オスカー・ピーターソンシアター

エリック・ティル監督/エリックティル、ヴィンセント・トヴェル制作統括/カナダ放送協会放映/105分/字幕:宮澤淳一

グールドが急逝してから3年後の作品。没後に初めて作られた本格ドキュメンタリーである。CBC(カナダ放送協会)がその豊富な放送映像・録音を存分に活用し、関係者へのインタヴューを織り交ぜながらグールドの生涯と仕事を彩り豊かに総覧する。父親バート・グールド、従姉ジェシー・グレイグなど、以後のドキュメンタリーには出演していない故人も多く登場しており、今見ると、むしろ新鮮な作品である。

・諸事情により本作品が上映されない場合、
上映作品は『グレン・グールドのトロント』に変更になります。